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2009年 02月 14日
![]() 昨日が13日の金曜日だったので、この日を試写日に選んだのか、その翌日(今日ですね)がバレンタイン・デイなのでこの日にしたのか、よくわかりません。けれど、数年ぶりに観る3D(立体)映画ということで、ちょっと楽しみに行きました。 今年から、3D映画が公開される機会がぐっと増えるそうです。PIXERでは『トイ・ストーリー3』が、ディズニーではティム・バートンが『不思議の国のアリス』を3Dとして制作中ということです。アメリカ映画界では、新しい映画公開形態として、これから、かなり3D映画を推していこうという動きがあるそうです。 昔から3D映画と言うと、画面から飛び出し効果のあるホラー映画やクンフー映画などのアクション映画で、最近ではそれにSFやCGアニメーションが加わってきた感があります。 かつては一種キワ物映画ともとられかねなかった3D映画でしたが、私はこうした新しい視覚チャレンジがけっして嫌いではありません。そうした観点から『ブラッディ・バレンタイン』を観ると、デジタル技術の進歩とともに、その技術的効果も進歩して長時間観ても疲れない、違和感のない視覚効果のある身近な映画形式になってきた気がしました。(3D映画のことに関しては数年前にも書いたことがあるので、よろしかったらご参照下さい。) 以下は、資料からのストーリーと簡単な解説 ☆ ![]() デジタル3D映像による大迫力の画面とスリリングなストーリー展開、見る者を無呼吸状態に誘い込むような極度の緊張感、そこには思いもよらない結末が待っていた…。主演は、米TVシリーズ「スーパーナチュラル」で、現在大ブレイク中のジェンセン・アクレス。その甘いマスクに隠された謎の青年を好演している。監督は、『ドラキュリア』で、“マスター・オブ・ホラー”と称されるウェス・クレイヴンに鍛えられたパトリック・ルシエ。本作ではその手腕をいかんなく発揮して、見事にホラーの名作と謳われる『血のバレンタイン』(1979年)のリメイクに成功している。 ☆ ![]() 暗い炭坑の中をゆっくり前進していくカメラ。そこにかぶるエンディングクレジット。その先には、ぜったい何かが待ち受けてるに決まっているではありませんか。やはりこの映画にも最後の最後に「お決まり」の驚かしがあるのですよ! なぜか全部日本語吹き替え公開の、中編クライマックス部分があまりに残酷だというので映倫への自主規制でカットしてしまい、最後にはよくある日本人歌手によるイメージソングに置き換えられた、それでもR-15指定の映画ではありますが、一応ホラー映画を観る観客の心得として、エンディング・クレジットが流れると同時に、席を立つという行為は(画面を遮り、鑑賞の邪魔にもなるので)避けて欲しい。ホラー映画鑑賞なりのマナーを守って欲しいものだなと痛感してしまいましたです。 ■
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by tsukimoto_natsumi
| 2009-02-14 20:14
| 映画
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2009年 01月 17日
昨晩は、試写で『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(監督:デヴィッド・フィンチャー、出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット)を観た。
上映時間2時間47分の堂々たる大作である。F・スコット・フィッツジェラルドの短編から着想された奇想のストーリー。(以下、チラシより) ☆ ![]() 一瞬、一瞬を、大切に生きていますか ーー? 全ての出逢いを、胸に刻んで生きていますか ーー? これは、そうせずには生きていけない、 特別な人生を送った男の物語。 彼の名前は、ベンジャミン・バトン。 80歳で生まれ、若返っていった男。 20世紀から21世紀にかけて、 変わりゆく世界を旅した男。 どれだけ心を通わせても、どれだけ深く愛しても、 出逢った人々と、同じ歳月を 共に生きることができない、その運命。 ーー それでも、人生は素晴らしい ーー あなたも、ベンジャミンの瞳で世界を見れば、人生を愛さずにはいられない。 ☆ 三時間近い上映時間を、この映画は性急に走ることをせず、ゆったりと淡々と、老人に生まれだんだんと若返っていくベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)とデイジー(ケイト・ブランシェット)の美しい純愛を通りすぎる第一次大戦から現代までの歴史を背景にしながら追っていく。けっして、この長い上映時間を退屈せずに観られたのは、老人から子どもまでを経ていくブラッド・ピットと可憐な少女時代から老女までのケイト・ブランシェットの姿をみごとに描く特殊メイクとヴィジュアル・エフェクツ、そして、それらの人物たちの時代背景をそれをあざとく感じさせなく描くVFXの賜物だろう。 ![]() 今まさに死を迎えようとしている老女の口から語られる「純愛の物語」は、どこか『タイタニック』を思わせたりもする。しかし、『フォレスト・ガンプ/一期一会』を書いたエリック・ロスの脚本に迎合するデヴィッド・フィンチャーの演出はいささか無理があるように感じる。 『エイリアン3』や『セブン』『ファイト・クラブ』と人でなしの映画をずっと描き続けてきたデヴィッド・フィンチャーが、こうしたとんでもない物語にもかかわらず、それを一瞬一瞬の人との出逢いの「一期一会」、時代を超えた「純愛映画」として悠々切々として歌い上げるアカデミー賞狙いとも受け取られかねない作品に違和感を感じざるを得ないのだ。 確かに、丁寧に造りあげられたヴィジュアルやその純愛に涙しそうになった後半シーンもあったが、やはりどうしても私はフィンチャーにはやりきれない不条理なあざとい「人でなし」映画を求めてしまうのだった。 (とりあえずの覚え書き) (写真:(C)2008ParamountPicturesCorporationandWarnerBros.EntertainmentAllRightsReserved) ■
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by tsukimoto_natsumi
| 2009-01-17 21:55
| 映画
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2009年 01月 16日
昨日、午後1時から京橋の映画美学校でこの3月下旬から公開になる映画の試写を観る。
![]() 「いったい俺ってなんなんだろう?」つまり彼はカメラを使って意図的に「自分」を考えはじめる。こういった部分が青春映画とも言えるこの作品のおもしろいところだろう。 映画には、さまざまな食事のシーンが登場する。冒頭寝起きの寝癖の悪いボサボサ頭でかっ込む納豆ご飯、日雇い派遣で東京に向かう途中の電車のなかでむしゃむしゃ食べるカレーパン、街頭の牛丼屋での食事、歩きながら食べるハンバーガー。どれもこれも圧倒的にまずそうだ。どの食事にも塩化ビニール傘やコンビニ弁当のビニールバックの独特の臭いが染みついている気さえする。 これほど、どの場面のどの食事もまずそうに味気なく見える映画というのも珍しい。 上映後、監督が登場し30分ほどのティーチインが行われた。たまたま、まさに現代の時流に乗ってしまった感のある映画だけに、質問するのは社会部や政治部の新聞記者やジャーナリストが多いようだ。「この映画を観ていて腹が立った」と言い放った背広姿のおじさんもいた。わからないでもない。なぜなら、この映画に声高な社会への主張や前向きな答えや劇的な変化や成長は用意されていないからだ。 いささか強引な喩えかもしれないが、搾取の歴史を背景にして黒人のブルースが生まれ(それはけっして暗く悲しいだけの歌ではなかった)、受験地獄から高石友也が「受験生ブルース」というフォークソングを揶揄を込めて歌ったように、この映画から聞こえてくるのは、現代のブルースやフォークソングのようにも思える。それはたんに悲嘆を唄ってはいない。たぶん、今風のラップやヒップホップのようなものではないだろう。 エンディングで、主役:監督は雨の中を夜から朝にかけてひとり傘を差しながら、東京の街を南へ南へと、環七をルートにとぼとぼ歩いていく。杉並、渋谷あたりから世田谷を越え、大森、平和島の倉庫街あたりまでか。「海が見えたようだ」と若者はつぶやくが、映像では見えない。 そうして朝がきて、彼は電車に乗って、また同じような自転車で向かう工場で働く生活へと戻っていく。 たぶん、そこで起きたのはちょっとした変化やその兆しである。今、どこにも劇的な変化やドラマチックな展開はそう簡単には起こりはしない。これが「映画」であるにも関わらず、そうしたことは起こりはしないのだ。そのことを、このセルフドキュメンタリーは頼りなさ気に示唆する。 チラシやポスターのイラストとデザインが作品をうまく反映させ秀逸である。 ■
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by tsukimoto_natsumi
| 2009-01-16 08:20
| 映画
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2008年 12月 27日
昨日午前、S・C社のKさんと仕事上の打ち合わせをした。その後、Kさんに誘われてランチをごいっしょした。
まったくその前の打ち合わせとは関係のないKさんのドキュメンタリーの話題に驚く。 なんでもKさんは、10年以上にもわたってインドネシアに派遣された日本兵の足跡をドキュメンタリーとして追っているらしい。彼らは10年もたって、やっとその重い口を開きはじめたのだという。 おとといの夜、もう十年以上にもわたっていっしょに仕事をしているカメラマンのJさんに電話を入れた。その日の午後に、田原総一朗と森達也の対談の収録をしたということを、その前の日に知っていたからだ。 (私)「どうだった?二人の対談」 (J氏)「なんで、来なかったのよ?来るかと思っていたのに」 (私)「いやあ、とくに呼ばれてもいなかったから」 (J氏)「おもしろかったよ〜。例のカルメン・マキの話。森さんがかなり突っこんでいた。1時間の予定が、1時間8分に延びちゃった」 この8分という数字が、私には重要に思える。田原さん、森さんとも、お互い忙しい人たちである。たった8分の延長時間を意識したカメラマンのJさんもなかなかみごとだと感じた。 この『ドキュメンタリーは嘘をつく』はDVD+ムック本として、来年発売されるらしい。 ■
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by tsukimoto_natsumi
| 2008-12-27 13:10
| 映画
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2008年 12月 21日
先週今話題の映画『wall・e ウォーリー』を観ました。
それもデジタル吹き替え版(DLP上映)で。日本語吹き替え版と言わずに、デジタル吹き替え版と言っているのは、この映画もともとがCGアニメーションなので、フィルムでつくられていません。なので、DLP上映で観れば、フィルム特有の傷や埃が付いていない、ぴかぴかの状態で観られます。(と言っても前半は、錆や埃などでいっぱいの誰もいなくなった地球で、ウォーリーというロボットがもくもくとひとり(?)ゴミ処理をしている姿を描いているのですが) 街の看板や、落ちている新聞、ウォーリーの体内表示などが日本語で表示されています。この辺がさすがPIXERです。 『トイ・ストーリー2』をDLP上映で観て、その美しさにびっくりして以来、PIXERの映画はなるべくDLPで観るようにしています。それに、この映画の前半はほとんどサイレント映画と言えるようなものなので、日本語吹き替えでも問題なしです。とても気の利いたエンディングまで含め、たいへんすばらしい映画です。 ![]() けれども今日は、一本大好きな作品、1991年のレオス・カラックス監督作品『ポンヌフの恋人』を取り上げます。 映画館に二度足を運びました。『ボーイ・ミーツ・ガール』や『汚れた血』もいいけど、私には、この映画が忘れがたい、どうしようもなく切なく幸福感に溢れた映画なのです。 ■
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by tsukimoto_natsumi
| 2008-12-21 13:24
| 映画
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2008年 11月 30日
金曜、夜のフジテレビのニュースだったろうか、麻生太郎首相と民主党・小沢一郎の党首討論の模様が流れていた。画面上にまわりに飛び交う野次がテロップになって次から次へとスクロールしていく。下手な漫才のボケと突っこみのような二人のやりとりより、画面を覆い尽くす野次の方がよっぽどおもしろい。でも、これってニコニコ動画のやり方じゃない?
青空が澄みわたった天気の日曜。先週や先々週のように、家に引きこもったままでいると落ち込むこと確実なので、木場の109シネマズに映画を観に出かける。 ![]() そこがおもしろくてアメリカでは、この夏スマッシュ・ヒットになったのだろうが、その辺の事情や映画でのジョークは、今ひとつ日本の観客には伝わりにくいかもしれない。それに『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』の時も感じたのだが、邦題の付け方が悪くて、この映画もとても損をしている気がしてならない。「史上最低(サイテー)の作戦」だものねぇ… けれど、少し内容が似ている『ザ・マジックアワー』なんて映画を撮った人に爪の垢でも煎じて飲ませてあげたいくらい映画のクォリティは高かった。 その後南砂町に戻り、できたばかりの大型モール「SUNAMO」で(先週普段履いているスニーカーが破れてしまったので)新しいスニーカーを購入。このところ、よくいろんなものが壊れる。まず携帯、ガス給湯器、そしてスニーカー。このスニーカーも三年以上履き続けたので長持ちした方か。SUNAMOの中は家族連れで賑わっていて、少し早い歳末感が溢れている。中にある本屋をうろうろして帰宅に着く。 まだ青みの残る夕方の空に鋭い刃物のような三日月が浮かんでいた。 それにしても、伏線回収に入りながらも、さらに新しい謎を提供するドラマ『スキャンダル』は脚本(井上由美子)、出演者(桃井かおりと小日向文世が絡んだ芝居がとくにいい)ともにすばらしい。最終回まで、これからの展開にますます目が離せないです。 11月も今日でおしまい。なんとか四連投してみました。 ■
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by tsukimoto_natsumi
| 2008-11-30 23:31
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2008年 10月 06日
昨晩やっと『20世紀少年』(堤幸彦監督)を観た。
![]() まだ、本作は第一章でこれから第二章、第三章と続く三部作なのですが、私はこの監督のこのようなつくり方で行くのなら、もう次はぜったいに観に行きません!(と言っても次のはもうできあがっているし、完結編は撮影中なので、みなさん愛を持って諦めましょう。) 観だしたハナから、もうどうしようもない単に原作の画面をなぞっただけの「ゆるゆる」の演出で怒りを通り越し、呆れてしまいました。まじめに怒る気にもなれないや、この映画。(おっと、映画と呼ぶのも失礼か?) あのう、原作が好きだからって言うんじゃありませんよ。映画としてどうしようもなくダメダメなんです。途中から(心の声で)ダメ出しする気さえ失せましたです、ハイ。 なので、映画評論家でも何でもない私は、もう何が逐一ダメだったか書き連ねる気持ちすらありません。監督は「ロックな気持ちを大切に作った」と言っているようですが、ちっともロックなんかしていません。ポール・モーリアの「エーゲ海の真珠」をぶち壊すこの映画の重要なオープニング・テーマ、T-REXの“20th Century Boy”があまりにしょぼくて泣けてきます。劇伴もあまりに安易な感情そのまま、過多のべたべたで、ロック・コンサートだって言われていったら、なんだか出演者だけは豪華で、昔のヒット曲だけを次々と並べた三流のニューミュージックのステージを見てしまったような印象。 ラーメンにたとえて言うなら、さまざまな豪華な具材がいかにもおいしそうにトッピングされていているので、いざ食べてみたら、麺はのび切っているは、つゆはぬるいは、その上味付けまで間違っている。「これラーメンじゃないんじゃね?」とか「これまずくありません?」って思わず耐えかねて文句言おうと思ったら、調理人は偉そうにふんぞり返っているし、見かけの看板だけは豪華にピカピカと輝いているんで、「ふん、二度とこんな店来るもんか」と心の中で自分に言い聞かせながら、ガクッと肩を落としすごすごと帰ったという感じでありましょうか? 帰りに、口直しに食べたCoCo壱番屋のカツカレーの方が、いかほどおいしかったか。と言ってももちろん食べてませんが… 映画館を出ると、外はすっかり雨で、私はずぶ濡れで帰りました。 ああ、悲しき20世紀少年の巻。 (写真:(C)2008映画『20世紀少年』製作委員会) ■
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by tsukimoto_natsumi
| 2008-10-06 07:34
| 映画
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2008年 10月 04日
80年代半ばから90年代前半までの約10年間を目黒区大橋に住んでいた。
![]() (写真はその頃屋上から撮影したビデオより) この大橋の交差点の角に変な本屋があった。古い木造建築の本屋で、雑誌類は最新刊が置かれているが、その他の書籍はどうも古めかしい、しかもある分野に偏ったものばかり。そこだけ眺めていれば、まるで古書店のようだ。中年男性のご主人とその母親らしきお婆さんがふたりで経営していた。雑誌などを買いがてら、店の奥を覗くと、そこには単行本が山と積まれ、ご主人はいつもその整理をしていたという記憶がある。店の名前はとうに忘れたが、あとになって思い返すと、ここがあの北冬書房ではなかったかと思うのだ。と言うのも、新刊雑誌以外の棚には「夜行」やつげ義春、つげ忠男といった北冬書房の本が多かったからだ。 けっきょく、いつも気むずかしそうな表情のそのご主人に「ひょっとして、ここは北冬書房ではないですか?」と訊くことができなかった。今現在、あの場所にあの本屋があるかどうかもわからない。 ![]() ところで(と私は思うのだが)、松竹大船から日活に移籍し、石原裕次郎、吉永小百合、小林旭などを主役とするさまざまなプログラム・ピクチャーを撮り続け、日活がロマンポルノに傾きはじめた、70年代初頭に退社、それ以降おもな山口百恵主演の映画をずっと撮ってきたこの映画監督の全作品を観ている日本人というのは、はたしているのだろうか? そのくらい、この映画監督のフィルモグラフィーは、問題作や社会派、巨匠監督作品といった場所から遠く離れた、いわゆる普通の日本映画というシーンで多岐に渡っているのである。 この監督をのぞいて、だれが戦地で小津安二郎と出会い、松竹の城戸四郎を語り、日活社長の悪名高き堀久作のことを語れ、川端康成や三島由紀夫といった小説家であり映画の原作者たちとの関わりをしゃべり、吉永小百合から山口百恵、小泉今日子まで語ることのできる監督がほかにいるはずもない。 そして、マキノ雅弘同様、この西河克己もリメイクの帝王なのである。日活時代、吉永小百合主演で撮ってきたさまざまな文芸映画を、この監督は東宝で山口百恵の主演でかなりの数リメイクしているからにほかならない。いったい、この監督の代表作は何か?という質問にそう簡単に答えられる人は、まずいないのではないだろうか。 ![]() ■
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by tsukimoto_natsumi
| 2008-10-04 12:04
| 映画
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2008年 09月 16日
先週土曜日(9月13日)、ある映画の出演者、監督の舞台挨拶付きの封切り初日に出かける。帰り際に、情報誌“ぴあ”の出口アンケート調査に会う。
まず、映画全体の点数(百点満点中何点か)を訊かれ、次に役者だとか物語だとか演出だとか、個別の5つくらいの項目に最高☆五つでいくつかと訊かれるのである。 私は、正直ってこういう質問がめちゃくちゃ苦手だ。だいたい点数なんかで映画を考えたことがない。その上、見終わった時、その帰り道、そして帰途の電車に揺られながら、その映画のことを理路整然とではなく、ぼんやりと考えるのが好きなのだ。だから、そのアンケートへの答えは支離滅裂。おまけに写真まで撮られる。(ああ嫌だ!)今週発売になる“ぴあ”に掲載されないことを祈るのみである。最後に、お礼にと『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジョニー・デップのイラストが描かれたポストカードを受け取る。(そんなモン、いらねえよ!とは言えなかった…) 昨日の午後は銀座に映画を観に出かける。さて何を観ようか?安売りチケット屋に並んだチケットを眺める。候補三つはざっとこんなところ。 『20世紀少年』:原作は大好きである。何年もかけて全部読んだ。ここにコメントを寄せてくれているnyoirinさんの鑑賞レポートも読んでしまった。監督は堤幸彦。ああ、もうこれだけで期待できないではないか。三部作で60億円もかけているという、超大作である。見終わったら、どれだけ文句をつけてやろうかと、鼻息も思わず荒くなるが、まあ冷静に観てみよう。 ![]() 『おくりびと』:これは関係者が誰ひとりも出席していなかったモントリオール国際映画祭でグランプリを受賞し、にわかに注目を浴びるようになった滝田洋二郎監督の新作。配給元の松竹は、こうした事態を想像してもいなかったらしく、ポスターなどの宣伝ヴィジュアルがどれも悲しいほどひどい。あわてて、急ごしらえのCMを流しはじめた。 結局、『おくりびと』はチケット売り切れだったので『20世紀少年』と『パコと魔法の絵本』の二枚を買う。まず、『20世紀少年』をやっている日劇PLEXに向かう。ところが、次回上映まで3時間待ちの状態。あきらめ、簡単な昼食をすませ、東西線で木場のシネコンに『パコと魔法の絵本』を観に向かう。しかし、こちらの方も109シネマにたどり着くと、次回上映まで2時間以上の待ち。もうちょっと下調べをしておけばよかったと、南砂町に引き返し、駅付近の江東図書館でCD5枚と『西河克己映画修業』(西河克己・権藤晋著、ワイズ出版・1993年)と『快楽亭ブラック 忘れられたニッポン最高の外人タレント』(イアン・マッカーサー著、講談社・1992年)の二冊を借りて、時間が迫っていたので、もう一度あわてて木場の109シネマに戻る。上映時間ぎりぎり。ところが、場内はガラガラだった。たぶん対抗馬になる『崖の上のポニョ』にぶち当たらないように公開日をかなりずらしたのだと思われるのだが、『ポニョ』の勢いを少し甘く見すぎていたのかもしれない。興行的に言えば、もっと公開を秋口の十月にずらした方がよかったかも。 『パコと魔法の絵本』は極彩色の少しくどめのファンタジー。けれど、私はまた不覚にもぼろぼろと泣いてしまった。役者や、その人物設定がどれもいいのである。最近の妻夫木聡はどれもつまらなかったが、この映画ではいい。小池栄子もいい。(見終わった後まで、あれが小池栄子だと気がつかなかった)ジュディ・オングの『魅せられて』大好きのオカマ役の國村準もいい。さまざまな映画で主演が続く役所広司の芝居も思いの外いい。もちろん中島映画の常連、土屋アンナのサディスティック看護婦もすてきです。そして、パコを演じるアヤカ・ウィルソンの可憐なかわいさったら! まあ、言いたい点は多々あるが、また今度にしよう。 シネフィルの方々には、この映画どうかとも思われるが、わたくし的にはオススメです。基本的に私はファンタジーというジャンルが大好きなのだ。それに、そもそも映画そのものがファンタジーのように思っているし。 だって、夕闇の迫った駅に向かう途中の帰り道や地下鉄の中で揺られながら、この映画のことを、ぼんやりあれこれ考えている私は幸せだったから。 ■
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by tsukimoto_natsumi
| 2008-09-16 09:19
| 映画
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2008年 09月 12日
まったく思いっきり虚を突かれたようなできごとだった。
それは久しぶりに映画的興奮を味わった40分でもあった。 まさか今ごろ『北国の帝王』という傑作映画とそれを撮ったロバート・アルドリッチという監督の魅力についてぞんぶんに聴くことになるとは思ってもいなかったからだ。 ![]() 現在公開中のショーン・ペン監督の『イントゥ・ザ・ワイルド』の話を起点に、町山智浩はおもむろに『北国の帝王』というアーネスト・ボーグナインとリー・マービンが主演した73年の映画の話を、まるでついさっき観てきた映画のことのように語りはじめ、話はロバート・アルドリッチ映画の魅力にまで及ぶのである。じつに引き込まれる、まるでその瞬間その映画を観ているような名口調だ。往時の淀川長治さんとちょっと乱暴なビートたけしの口調を合わせたような魅力的な語り口である。これほどみごとに端的に語られるアルドリッチ映画の魅力をこれまで私は聴いたことがなかった。(絶好調ですね、町山さん!) 私がはじめてロバート・アルドリッチ監督の映画と出会ったのは、テレビからだ。おそらく最初は小学生の時で、昼過ぎに学校から帰ると夕方からの番組の間の埋め草のように当時フジテレビ系列ではさまざまな洋画を放送していた。そこでベティ・デイヴィスとジョーン・クロフォード主演の『何がジェーンに起ったか? 』(1962)という怖ろしい映画を観たのである。次は中学生の時で、荻昌弘さんが司会をしていた「月曜ロードショー」で『飛べ!フェニックス』(1966)。ジェームス・スチュアート主演の砂漠に不時着した男たちの手に汗握る群像サスペンス脱出劇で、ここでもアーネスト・ボーグナインがいい味出していた。そして次に観たのが、大学生の頃で東京12チャンネルで昼過ぎにやっていた『北国の帝王』なのだ。当時、私はこの不思議な映画の魅力をどう語ったらいいのかもわからなかった。 それまで、長らく単なる職人アクション映画監督と見なされていたアルドリッチ作品を評論の分野から熱く語り擁護しはじめた評論家が、川本三郎と蓮實重彦の二人だと記憶している。 その結果、『ロンゲスト・ヤード』から遺作になった女子プロレスラーとそのマネージャーを描いた戦うロード・ムービーの快作『カリフォルニア・ドールズ』までを劇場で観ることができたことを幸せだと思う。 ぜひぜひ、アルドリッチ映画ファンならこの「町山智浩のアメリカ映画特電」を聴いて欲しいと思う。町山智浩はちょっと怒るかもしれないが、彼こそ、淀川長治と蓮實重彦という二人の傑出した評論家の申し子のように、昨夜は思えてならなかった。 ■
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by tsukimoto_natsumi
| 2008-09-12 08:38
| 映画
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