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2008年 08月 29日
ラジオデイズな日々をはじめて一月以上が過ぎた。
おかげでほとんどテレビを観ることがなくなった。 唯一の例外は昨晩夜9時からの大石静脚本、永作博美主演の『四つの嘘』。四十歳を過ぎた女たちのさまざまな思いと生き方が描かれる。(日本版『デスパレートな妻たち』だと言う人もいるが、私はそっちのドラマを観たことがないので知らない。)母親ではなく「女」たちのドラマだというのがいい。かつて向田邦子が描いたドラマも、一見ホームドラマという器をとりながらも、そこで描かれるのはお母さんでなく「女」であり、お父さんではなく「男」だった。だから家庭の中にはちょっとした棘があり、家族というかたちを維持する者たちの陰影が際だつ。 ラジオを聴くようになって、日曜日の午後に楽しみな番組ができた。TBSラジオ『爆笑問題の日曜サンデー』。中の「27人の証言」コーナーで先週17日は向田邦子特集。これがすばらしかった。 向田さんの初めてのラジオ脚本『森繁久弥の重役読本』の貴重な録音の一本をまるごとオンエア。 泉谷しげるは、彼が役者の仕事をはじめるきっかけになったドラマ「吉展ちゃん誘拐事件」の主役に推したのが向田邦子だったことを告白する。 東芝日曜劇場や『岸辺のアルバム』『ふぞろいな林檎たち』などですばらしいドラマを演出した鴨下信一が向田脚本の魅力を語る。 数々の向田ドラマに出演し、向田邦子の友人でもあった加藤治子のインタビューもある。 樹木希林が「私は向田さんの悪口しか言いません」と直々に太田光とともに向田邦子が住んでいた西麻布のマンション近くに出向いた時に答える。明らかにこれは誠意ある反語だ。 向田さんと姉・妹のような関係だったといういしだあゆみが、先に私が書いたように、お母さんでなく「女」の物語、お父さんではなく「男」の物語が向田ドラマだったと語る。 その他、小林亜星、黒柳徹子、早坂暁などからのインタビューとリスナーからのコメントが続き、最後を妹の向田和子さんが締めくくる。 それぞれのインタビューの間に挟む太田光のコメントも秀逸だった。彼も昨年NHKの『知るを楽しむ・向田邦子〜女と男の情景〜』の4本を担当した大の向田ファンにほかならないからだ。 ところで、番組には向田邦子の話を語るにふさわしいもっとも重要な人物がひとり欠けてしまっていることに気づく。もちろん、久世光彦である。『七人の孫』『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』と向田邦子のテレビ脚本の初期からずっとコンビを組んで名ドラマをつくりあげた演出家である。私もこの人のドラマで向田邦子の名前を知ったのだ。その久世さんもおととし2006年に亡くなってしまったのだった。 そこで久世光彦『夢あたたかき 向田邦子との二十年』(講談社・1995年)を読む。この近くて遠い二人の微妙な関係と久世光彦の文章の美しさにちょっと涙ぐみたくなる。付箋を貼った引用したい箇所が多いが、一箇所だけ『阿修羅の如く』について語った部分から引用する。 ☆ いくら隠そうとはしたって、透けて見えるから、男も女も可愛いのだというのが、あの人の目に宿っていた暖かな色だった。もし向田さんの作品に翳りを見てとる人がいたとしたら、それはこの目の色のせいかもしれない。暖かで、優しい目というのは、ときにたまらなく哀しい色に見えることがある。 ☆ ついでに図書館に向田邦子の短編を漫画化した柴門ふみ『花の名前』(新潮社・1999年)があったので、それも読む。「はめ殺し窓」「かわうそ」「隣りの女」「春が来た」など全部で九編が収められている。柴門ふみはデビューしたての頃好きだった。『P.S. 元気です、俊平』や『女ともだち』など。しかし、この人ほんとうにいっこうに絵がうまくならない。描くアングルによって同じ登場人物がまったくの他人に見えてしまう。(とくに横顔の下手さ加減は特筆に値する。)この本にはがっかりきたが、まあこれはあくまで蛇足である。 1981年8月22日、向田邦子はあまりに突然台湾の空の彼方にいなくなった。8月の終わらぬうちにこれだけは書いておきたいと思い、本日の朝のブログにした。
by tsukimoto_natsumi
| 2008-08-29 08:52
| ラジオ
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Comments(2)
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