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2008年 05月 04日
昨日、糸のような小雨の中を目黒の東京都庭園美術館に向かう。
開催中の「オールドノリタケと懐かしの洋食器」展を見る。明治、大正、昭和といかに日本の陶磁器文化が、盛んに輸入されたさまざまなアール・ヌーヴォー、アール・デコといったヨーロッパ文化やその様式、デザインの波を被りながら、和洋融合の独自の洋食器文化へと定着、発展させていったかを200点あまりの各時代の洋食器から展観するもの。 まあ、この数やすごい。そして、そこに並ぶ各時代、各会社のそれぞれ工夫を凝らし、さまざまな技法でこさえられた洋食器の意匠の変遷には目がくらむ。「オールドノリタケ」ファンにはたまらないだろう。 とは言え、私はこの世界にはまったく門外漢なので、隣りにいた同行の陽気な音声ガイドさんのおしゃべりとガイダンスに、(あちこちに立つ女性の監視員さんの顰蹙を盛んに買いながら)ただただうなずき相づちを打つのみである。(ちょっと昭和天皇の気持ちがわかりましたね) ひさしぶりの庭園美術館、広い庭に出ると新緑と雨の匂いがすがすがしくほんとうに気持ちよい。この庭園ととなりにある目黒自然園は都心であることを忘れさせてくれるいい場所で、学生時代からこの辺にずっと通っていたこともあり、東京でも数少ない好きな場所のひとつである。(当時ここは迎賓館だった。) 雨もいつしかやんで、その後歩いて白金にある利庵に向い、ここの名物出汁巻き玉子とせいろで、ラガービールを飲みながらの昼食。最近では住む場所も離れてしまい、ここもひさしぶり。あいかわらず、ここの出汁巻き玉子は絶品である。落ち着いた一軒家の日本家屋の佇まいと、こうした場所柄にもかかわらず、気取ってないこの店の対応が好きだ。 その後、ひとりで新宿パークタワーホールで開催中の「イメージフォーラム・フェスティバル2008」を観に行く。この映像フェスもほんとうに久しぶりで、以前は渋谷ロフトで、この黄金週間の時期に開催されていたのだが、新宿に移ってからは、一度も足を運んでいなかった。 5時からの「ラスボス:異形の3D,CGアニメーション」と7時半からの「欲望装置の精神分析」を観る。 「ラスボス:異形の3D,CGアニメーション」は、5本の海外の短編3Dアニメーションの上映。なかでは、ロシアのアート・ユニットAES+Fの作品『ラスト・ライオット』が、不思議な近未来世紀末の光景をミニマルにかなり精密にフェチなタッチで描写していて、全編に使われるワーグナーと雅楽の不思議な組み合わせともあいまって相応におもしろかった。 が、この日の見どころはなんと言っても、この前出た『ラカンはこう読め!』(紀伊國屋書店)でも話題をよんだラカン派の先鋒であり、ヒッチコックの映画分析本でも有名なスラヴォイ・ジジェク自身が150分にわたってさまざまな映画を引用しながら、魔術的映画やその欲望装置、その構造を圧倒的弁舌とスピードで解読する『スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド』(監督:ソフィー・ファインズ、2006・アメリカ)だろう。 フロイド学派の流れを汲んだラカン派精神分析家であるスラヴォイ・ジジェクが解読、分析するヒッチコック、デイヴィッド・リンチ、チャプリン、ウォシャウスキー兄弟、タルコフスキー、ディズニー作品などの数々。次々に引用される『鳥』『サイコ』『めまい』『エクソシスト』『ドクトル・マブゼ』『博士の異常な愛情』『カンバセーション…盗聴』『ブルー・ベルベット』『惑星ソラリス』『ストーカー』『ピアニスト』 『オズの魔法使い』『十戒』『イワン雷帝』などなどの映画作品。フィルムノワールから最近のSFX映画まで広範に映画の持つ魔術的魅力を分析し尽くす。150分という長さがあっという間である。いやはや、すさまじい。 見終わって、このジジェクの話しぶりが何かに似てるなあとふと思った。そうだ、あのオーソン・ウェルズが監督した『オーソン・ウェルズのフェイク』(1974年)だ。自らを魔術師と称するオーソン・ウェルズが案内役を務める絵画の贋作をめぐる、どこまでが本当で、どこからがフェイクなのか、観客を最後の最後まで翻弄し続ける詐欺とペテンと嘘八百の物語(フェイク・ドキュメント)。同時に稀代の映画的詐欺師オーソン・ウェルズは、この映画で映画の虚構すらも、あの魔術的手腕で暴き立ててしまうのだ。ジジェクはその風貌、弁舌ともに、このオーソン・ウェルズに似ていなくもない。 そう思うと、ジジェクという思想家が、なにやらすごくいかがわしく思えてきてしまった。 私はジジェクが引用したさまざまな魔的映画群よりも、このオーソン・ウェルズの傑作映画を、なぜかもう一度観たくなってしまったのだった。
by tsukimoto_natsumi
| 2008-05-04 09:57
| 日記or備忘録
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