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2014年 01月 19日
1月12日、新文芸坐でロマン・ポランスキー監督『ローズマリーの赤ちゃん』を観た。以前この映画をどこで観たかも思い出せないほど大昔に観て以来のこと。たぶん、ジョン・カサヴェテスという男をスクリーンで観たのは、これが初めてだったと思う。けれども当時、これがあのジョン・カサヴェテスだと認識したわけではない。たんにミア・ファローの結婚相手として見ていただけだ。
久しぶりに見返して思ったのだが、この映画ミアが疑心暗鬼に陥り悪魔憑きの恐怖がさんざん描かれる後半より、前半部分がだんぜんいい。ニューヨークの街を俯瞰で映すカメラはじきミアとカサヴェテスが暮らすことになるダコタ・ハウスを中央に捉える。 クシシュトフ・コメダのすこし不安げでロマンチックな音楽から、もう映画に引き込まれる。(ちょっと『フォロー・ミー』を思い出す) 「ローズマリーの赤ちゃん」映画音楽 壁の色を白く塗り、カーペットを敷き、新しい調度やカーテンをあつらえる二人の新婚生活に、壁を通して聞こえる音や階上の老夫婦の侵入など、じょじょに不協和音が奏でられはじめる。アパートの地下には洗濯室があって、ミアはそこである若い女性と知り合うが、彼女はそのアパートで飛び降り自殺をして死んでしまう。この辺も個人的にはくすぐられる。1999年にニューヨークのブルックリンハイツに住む義妹のアパートで二週間過ごした際にも、やはり地下に住人たちが静かに洗濯物を回す洗濯室があったものだから。 ミア・ファローの妊娠がわかりヴィダル・サスーンで短髪にする前半までのくだりはほとんど60'sファッションショーとも言える。それこそ、ことある度にミアは60'sの最新モードに身をくるみ登場してくれる。そばかすの顔と華奢で細い脚がなんともチャーミング。 それが予習になったというわけではないが、オーディトリウム渋谷で「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティブ」から1月16日に『フェイシズ』と『ラヴ・ストリームス』、17日に『こわれゆく女』を観た。それは過酷な映画体験で、けっして気持ちいいものではない。 ともかく、どの映画も痛い。ぐさぐさと突き刺さる。 ジョン・カサヴェテスの映画は1993年の「カサヴェテス・コレクション」以来20年ぶり。 これまた個人的思い出でなんだが、そのとき、付き合っていた女性と観た。彼女はゲンズブールとレニー・クラヴィッツの大ファンで、いっしょに武道館にレニー・クラヴィッツのコンサートに出かけ、やはり彼女が好きだったカサヴェテスの映画を観にシネセゾン渋谷などセゾン系の映画館に行った。 映画を観たあと、彼女から「愛について」真剣に説かれた。わたしは、これまでいかに不真面目に映画を観ていたかすこし恥じた。だが、それ以来カサヴェテスの映画を観るのが怖くなったのも確かだ。 それから彼女は父親の交通事故とともに大分の実家に帰り、私たちは別れた。 『フェイシズ』129分、『ラヴ・ストリームス』140分、『こわれゆく女』147分。 不思議なことに、ちっとも長さを感じなかった。次に起こることが想起できないような、インプロヴィゼーション込みだろう演劇的な荒々しさと緻密なカメラワークやカット割りが飽きさせない。『フェイシズ』では、タイトル開けの振り返るジーナ・ローランズの顔が際立って印象的だし、『ラヴ・ストリームス』のジーナの夢妄想を織り交ぜた激しい雨の後半部分はもう呆然とするしかない。『こわれゆく女』は逆に、カメラのピンも甘く構図も定まらない。編集もいささかラフだが、その分なまなましい愛のむきだし状態が、あまりに酷すぎる。 それでも、ジョン・カサヴェテスはいい男だと実感する。自分はけっきょくあまりある才能があって深い思慮と創造力を漲らせるかっこいい男(つまりジョン・カサヴェテスやサム・シェパードのような)に弱いんだと思う。『ラヴ・ストリームス』の終わりで、豪雨の中、大きな荷物を抱え去っていくジーナ・ローランズを窓越しに静かに見送るカサヴェテスの姿を見つめながら、嫉妬した。 その後、1997年に結婚し2002年に離婚したわたしは、またこれまでにない映画を体験する眼を獲得したような気もするが、それが幸せなことかどうかは、いまだによくわからない。
by Tsukimoto_Natsumi
| 2014-01-19 11:20
| 映画
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Comments(2)
Commented
by
s_numabe at 2014-01-19 13:23
ちょっと手元のメモで調べてみたら、1993年春の「カサヴェテス・コレクション」上映はシネセゾン渋谷、銀座テアトル西友、シネ・ヴィヴァン六本木の三館で催されたようです。小生は「フェイシズ」を渋谷、「こわれゆく女」「オープニング・ナイト」(再見)を銀座で、「アメリカの影」「チャイニーズ・ブッキーを殺した男」「ラヴ・ストリームス」(再見)を六本木で、それぞれ観たことになっています。
あまりにも続けざまに体験したので、「ラヴ・ストリームス」以外はもう細部の記憶が曖昧でごっちゃになっています。いずれキチンと観直したいのですが、相応の覚悟が必要でしょうから、今はまだ心の準備ができていません。そうか、やはりグサリと心に突き刺さる映画でしたか・・・。
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Commented
by
Tsukimoto_Natsumi at 2014-01-20 07:55
沼辺さん、おはようございます。
ご指摘のように、たしかに「カサヴェテス・コレクション」はシネセゾン渋谷をメインにセゾン系の各映画館でバラバラに公開されたようです。 いやあ、どうしようもなく痛いけどスリリングな映画体験でした。もう当分カサヴェテスは観なくてもいいですけど(笑) 今度またお逢いしましょう。 近況をおうかがいしたいです。 (沼辺さんの電話番号を携帯紛失とともになくしてしまいましたので、ツイッターDMなどで連絡差し上げます)
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