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2005年 03月 22日
さて、わたしは昨日午後2時過ぎに初めて東京現代美術館に女性作家11人による企画展「愛と孤独、そして笑い」を見に行ったのであります。まあなんだかんだ言ったてたかだか風邪くらいならひとりで行けるもん!と中野坂上から大江戸線でたっぷり16駅間清澄白河でおりて川や運河が多くとてもとてもわかりにくい地図を片手に美術館に向かった。駅から徒歩13分とある。風邪ぼけ頭でふらふらと間違えないように行ったのだが、いっこうにそれらしき場所は見えない。でも通りの名前はあっているし、13分とって早足でまっすぐたどり着いたとしてだろう、やはり先に行きすぎていたようで、少し引き返し深川の商店街を抜ける、埃っぽい大通りの向こうにガラスとコンクリート建築のりっぱな建物があった。このあたりに来ると、歩いている人たちもみんな美術館に行く人々だというのが、その格好からよくわかる。ここでもうたっぷりと歩いたわたしはかなり疲れ、建物なんて味わう余裕もなく、一直線にチケット売り場に行き、地下と1階を使って催されている会場にまっしぐら、気持ちとしては出光真子さんの作品だけでも見て帰れればいいかと、館内を足早に展示順になかを見てゆくうちに、「女性作家ばかりを集めた『愛と孤独、そして笑い』という展覧会名が気になるというか、そこに隠されたキュレーターの意図を知りたいのです」という気持ちになってくる。内容は、卒業写真やお見合い写真という儀式的写真を森村泰昌さんよろしく自ら写ってコラージュした作品や、幻想的な紫の女性像の油彩画、シニカルなコピー(文)を壁中に巨大なタイポでレタリングした言葉のインスタレーション、どれも狼と女性が複雑に絡み合った姿(性交しているのか、それとも産み落とそうとしているのか)うーん、絵画と言うよりはイラストレーションに近い作品もある。いろいろな女が、男が、またはそれらが空中にシルエットで浮遊しているような写真家の作品(おしゃれだね)。そしてタンスの中に隠したある物を、観客に引き出させる行為で見せていた作家。女性の隠し場所と言えば箪笥がつきものだからか?それにしては箪笥が豪華すぎる気がする。もう少し何気ない日常の中で、いつか開けられることを待ちながら、その箪笥の中の何かは、こっそりと鋭利に潜んでるんじゃないか?
それから、なんと言ってもタイトルがすごい『私の愛する男は私の中で射精する精液が体の中を流れていく。いつもこの瞬間、一番生きているのだと思う』部屋中に満ちる喘ぎ声と巨大な真っ赤なLEDで作られた電飾仕立てのペニスくんである。しかしそれにしても“いつもこの瞬間、一番生きているのだと思う”と感じるのは作者であろうか?私はバタイユの有名なエロティシズムの極みはとの陶然とした死に近い(だったかな?)なんて言葉を思い出すのだが、そこから『愛のコリーダ』なんかを想像するのが男のありきたりSTORYなのか?しかし、このペニスはさまざまな方々の協力作品(もちろん男性)らしく、ご本人もこれを個人作と言っていない。だけどさ、こういうのって孤独な欲望の装置として(一種の妄想も含めて)存在する方がエロスだと思うのだが。まぁ作家自身がエロスと言っているわけではないので、オブジェのまわりを一週ぐるりまわっておしまいにする。 それにしても、あの塩ビの透明ビニール傘の主婦を作家自ら演じてるビデオ作品は、下手くそで気持ちが悪いな、主婦でもなさそうなこの作者が、団地の主婦ってこうかしら?と多寡を括くり、その上ビデオの主婦の仏壇まで用意してある。なんかグロテスクで下品でイヤだ。そんな風に会場をてろてろとさまよっているうちにかなり疲れてきている私は、そうそう出光さんの作品を探してるのであった。で、コピーライターの切り文字インスタレーションの奥にやっと見つけました。暗い中に入ると、ふーむ、このところの自己の違和感の原点でもある「家族の肖像」に今回もテーマをおいたビデオインスタレーションである。喉まで出てきそうな言葉を、ごくりと呑み込んでしまったよう寡黙さに満たされている。彼女は自衛隊をイラクに送る今の日本が、第二次世界大戦時の自分たちの姿に映ったと言うが、アクリルのスクリーンに投影された父親・姉・妹などのモノクロームの彼女の家族の肖像はノスタルジーとは違う像を結んで、やけにくっきりと浮かび上がり、その背後の大きなスクリーンにどんどん陰惨を極めてゆく戦争の光景が次々にニュースリールから引用される。たぶん、ここに今の日本と似ているというのは、つじつま合わせではないかと私は推測する。それよりか彼女の窓は自分の内側に大きく開いて間近な遠近法でピントを送ろうとしている。このように言うとなんだが自分の家族を通してみた見た時代のピリピリとした感情は、なんか向田邦子さんの作品に近いんではと思う。ダブルエクスポージャーな外側と内側。オルゴールの音さえ聞こえるその場の雰囲気に、時にコントラストを強く家族を闇にたたき込み背景を際だたせ、さらには感情がスクリーンを真っ赤に染め上げる瞬間や、真っ青な海に消える瞬間が、以前よく彼女の作品に登場していた「際どさ」とでもう言うか、そんな凄みや荒くれが一瞬現れても良かった気もしたが、よく考えたら、私は評論家でも何でもないので偉そうにこれ以上作品を解題するのを止めておく。 それで、ここははじめての美術館だったので常設展も少し覗いてみて、私はすっかり上機嫌になった。池田満寿夫という人の版画のうまさに舌を巻いた。三木富雄のいつもの『耳』もどこかで発掘された精巧な銀の化石のようで、そのための図面もじつにきちっと書かれている。思いつきでも、精巧な技巧で作られた物は違うのだ。荒川修作の作品も実際に眼に触れると、こんな精妙なリリシズムで描かれた物だとは知らなかった。それでいて、どの作品も歌っている、さりげなくメロディやリズムがある。そして思考もある。3階に設けられた展示は目一杯楽しい。サム・フランシスの陽性の美しい色がはじけ、流れだし、ぶつかり混じり合う大きな壁4面をフルに使った贅沢な空間は、アートがカンバスを越え音楽になる瞬間である。これは眼にごちそう。 どうも、もしジェンダーやフェミニズムの観点で女性を捉えようとするのが今回の試みなら、それは上滑りしてしまっているかのようだ。『愛・孤独・笑い』これは現在のなかで「社会・会社」という枠組みを外したときの男性論的テーマだったとしても、だれも違和感をそんなに感じないだろうと思ったりもするのだが。 えっ、そんなことない!? 最後の締め、こぶ平に林家正蔵はないだろう〜って!
by tsukimoto_natsumi
| 2005-03-22 16:58
| Art & Design
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