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2009年 01月 17日
昨晩は、試写で『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(監督:デヴィッド・フィンチャー、出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット)を観た。
上映時間2時間47分の堂々たる大作である。F・スコット・フィッツジェラルドの短編から着想された奇想のストーリー。(以下、チラシより) ☆ それは、80歳で生まれ、年を取るごとに若返っていく数奇な運命を生きた男の物語。一瞬、一瞬を、大切に生きていますか ーー? 全ての出逢いを、胸に刻んで生きていますか ーー? これは、そうせずには生きていけない、 特別な人生を送った男の物語。 彼の名前は、ベンジャミン・バトン。 80歳で生まれ、若返っていった男。 20世紀から21世紀にかけて、 変わりゆく世界を旅した男。 どれだけ心を通わせても、どれだけ深く愛しても、 出逢った人々と、同じ歳月を 共に生きることができない、その運命。 ーー それでも、人生は素晴らしい ーー あなたも、ベンジャミンの瞳で世界を見れば、人生を愛さずにはいられない。 ☆ 三時間近い上映時間を、この映画は性急に走ることをせず、ゆったりと淡々と、老人に生まれだんだんと若返っていくベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)とデイジー(ケイト・ブランシェット)の美しい純愛を通りすぎる第一次大戦から現代までの歴史を背景にしながら追っていく。けっして、この長い上映時間を退屈せずに観られたのは、老人から子どもまでを経ていくブラッド・ピットと可憐な少女時代から老女までのケイト・ブランシェットの姿をみごとに描く特殊メイクとヴィジュアル・エフェクツ、そして、それらの人物たちの時代背景をそれをあざとく感じさせなく描くVFXの賜物だろう。 老人として生まれたブラピと少女の恋愛にはドキッとさせられるし、若々しいケイト・ブランシェットのバレエ・シーンはあまりに美しく切ない。今まさに死を迎えようとしている老女の口から語られる「純愛の物語」は、どこか『タイタニック』を思わせたりもする。しかし、『フォレスト・ガンプ/一期一会』を書いたエリック・ロスの脚本に迎合するデヴィッド・フィンチャーの演出はいささか無理があるように感じる。 『エイリアン3』や『セブン』『ファイト・クラブ』と人でなしの映画をずっと描き続けてきたデヴィッド・フィンチャーが、こうしたとんでもない物語にもかかわらず、それを一瞬一瞬の人との出逢いの「一期一会」、時代を超えた「純愛映画」として悠々切々として歌い上げるアカデミー賞狙いとも受け取られかねない作品に違和感を感じざるを得ないのだ。 確かに、丁寧に造りあげられたヴィジュアルやその純愛に涙しそうになった後半シーンもあったが、やはりどうしても私はフィンチャーにはやりきれない不条理なあざとい「人でなし」映画を求めてしまうのだった。 (とりあえずの覚え書き) (写真:(C)2008ParamountPicturesCorporationandWarnerBros.EntertainmentAllRightsReserved)
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