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2007年 03月 11日
「人生の悲劇は二つしかない。
ひとつは金のない悲劇、もうひとつは金のある悲劇」 NHK土曜ドラマ『ハゲタカ』の第一話、柴田恭兵がプールの中で血を流しながら、たくさんのお札といっしょに浮かんでいる。そして救急車で病院に運ばれ緊急手術を受けるオープニング・シーンに流れるナレーションである。 人は、このナレーションの主をその柴田自身のものだと思うだろう。 なぜなら、冒頭のこのシーンこそ、なぜ主人公のひとりに相違ないこの人物をこのような血なまぐさい悲劇に招き寄せてしまったのかを究明するドラマのはじまりであり、このエンディングに向けて、これからはじまるドラマは進行して行くに違いないからだ。 ところが、ドラマはそうは簡単に進行してゆかない。柴田と同じ銀行の同じ支店に勤務し、そこで取引先の零細工場主を自殺に追いやってしまったことから、外資系投資ファンド会社ホライゾンに転じ、そこで瀕死状態の企業を次々と買収する「ハゲタカ」と呼ばれる男、主人公・大森南朋(おおもりなお)を軸に、話が三つどもえ、四つどもえで進行するからだ。 第三話で、やっと冒頭のナレーションが、この鷲津政彦なるもと三葉銀行で、柴田の部下として働き、その自殺した工場主の葬儀の場で、(利益のためにしか企業の行き先を見ようとしない銀行の顔)柴田から「お前のやったことは間違っていない」と言われた大森南朋のものだと判る。 このドラマは、「復讐劇」である。ハゲタカに転向した鷲津の利益のためにしか企業の行き先を見ようとしない銀行(そしてそのとりあえずの標的として当時の上司柴田恭兵)へのリベンジ。その工場主の娘で、銀行の非情ぶりからテレビ局へ就職し、マスコミの立場からその矛盾を暴こうとする栗山千明の復讐。由緒ある旅館の三代目として生まれながら、銀行に翻弄されっぱなしで挙げ句交通事故死してしまった父親をたえず憤懣を持って見てきた松田龍平のリベンジの物語。(そして、さらにはこの矛盾を抱え苦しみ、銀行を辞め、フリーの企業再生屋となった柴田の再生の物語が第四話からは加わることになる。) これら柴田、大森、栗山らのジグザク模様の舞台として、大森の買収しようとする企業が描かれる。つまり、表面的には柴田演ずる芝野と鷲頭の買収攻防戦が、このテンポのいいジグザク劇の舞台である。 かたや、この物語は「人情劇」である。すでに述べたように外見はグローバルな企業買収劇の経済小説の風を装いながら、登場人物の誰もがこの人情の噴出をじょじょに露呈させながら、その正体を見据えようと葛藤を抱え苦しんでいる。 このドラマはこの辺の演出がなかなか上手である。まず、それぞれの抑制の利いた演技がウェットにならず、ときに荒唐無稽とも思われる結びつきと矢継ぎ早の展開に不自然さを感じさせない演出だ。 そして、なにより主演の大森南朋がいい。一見ニューヨーク仕込みのクールな買収屋風に見えながら、つねに自分の持った過去に苦しんでいる。この大森の鼻がいい。つんと酷薄そうに反りながら、その寡黙な薄い唇に続くきれいさが、このドラマを支える大きなモティーフである、とでも言ってしまいたいくらいによい。 同様に『キル・ビル』ではあんなにつまらなかった栗山も髪を引っ詰めにして、その意志の強い鷲鼻を強調させている。また、あばたの上の団子のような柴田の鼻も必死に理想に向かってあがく姿をうまく表している(気がする)。 あと、『それでもボクはやっていない』で大きな欠点だった撮影上の難点もこのドラマはうまくかわしている。つまり、ロケ主体のドラマにおいてビル内の撮影では、天井の蛍光灯照明の波長が画面をフリッカーの多い緑色がかった、人の表情を生気のないものにしてしまう。このドラマでは、全体的な画調(ルック)をあえて青と緑にすることで、これを逆にドラマに活かしていることも付け加えておきたい。(登場人物のくちびるの色を見てください、みんな紫色してるでしょ。) また、エンディング・テーマ曲の詞があの『嵐が丘』エミリー・ブロンテの詩「Riches I hold in light esteem」というのも気が利いている。 まだ最終回を迎えていないので、このドラマに対する断言は控えておこうと思う。 あえて言わせていただくなら、大森演じる鷲津はハナから「ハゲタカ」でないことは、その役名が「鷲津(わしづ)」であるということから物語っている。そして、この大森南朋がつい昨日までは知らなかったのだが、あの麿赤児さんの子息であるというのも、私をうれしい気持ちにさせ、この文章を書かせるに至った次第である。 (写真は、大森が寺島しのぶと出演した『ヴァイブレータ』廣木隆一 監督 2003) 『ハゲタカ』写真:Copyright NHK(Japan Broadcasting Corporation)All rights reserved.
by tsukimoto_natsumi
| 2007-03-11 11:25
| 映画
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Comments(8)
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by
tora0226 at 2007-03-13 00:06
ああ、そうだったのか!
展開の速さに解らぬことは解らぬままに、最後にツジツマが合うのだろう、と 気にせず、気にさせず。うまく出来てると思います。 しっかし、『ヴァイブレータ』と同じ人とは思えない・・・当然ですが
0
このドラマは、このところのテレビ番組の中では個人的に出色のできだと思いますね。人物像の輪唱風な展開のさせ方がうまいです。
時実新子さん、お亡くなりになってしまいましたね。 平成十九年三月十日 逝ける
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by
tora0226 at 2007-03-13 21:09
輪唱風は言いえてますね。
原作の文庫版、重版だそうで、バブル崩壊直後なら直視できないことも 今なら冷めて見れる・・ってこと。 んなら、景気回復が見えてきてるんでしょう・・ 時実新子は師匠でしたが、不肖の弟子でした。
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tsukimoto_natsumi at 2007-03-14 08:18
おはようございます。景気回復ですか?うう、実感できませぬ。(・・;)
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by
maru
at 2007-03-14 23:25
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by
tsukimoto_natsumi at 2007-03-14 23:49
こんばんは、maruさん。こちらこそ。
原作は読んでいないので、設定のほどよく知りませんが、ひさしぶりに次回が楽しみな作品に出会えた満足感がありますね!
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by
awow at 2007-03-24 01:15
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by
tsukimoto_natsumi at 2007-03-24 12:04
おはようございます。
本日最終回ですね。ひさしぶりに楽しみなテレビドラマだっただけに、もう終わりかと、少々残念ではあります。
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