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2007年 01月 23日
リチャード・アヴェドンの1955年の写真である。 タイトルは『冬のサーカス CIRQUE D'HIVER』こう聞くだけで、わたしは思わずこんな他愛もない話をでっちあげてしまう。 冬のサーカス シルク・ディヴェール その夜は、たくさんの星の間におおきな三日月がかかり、それをベッドから窓越しにボクは見上げていたんだ。 冬の夜空にこうこうと冴えわたるその月は、どちらかというとドライヤーの映画の吸血鬼<ノスフェラトゥ >が持っていた鎌のように不気味な刃先を天に向かって投げかけていた。 まんじりとして、寝付かれなくなったボクは、しばらくその月や月の手前に枯れた枝をのばす魔女の杖のような木々の気配をうかがっていると、その木の先にある塀に上に、何かが着地した音に気づいたんだ。 猫かなとも、そのとき思ったんだけど、目をこらしてみると、それはすこし大きめのセーターにズボンの女の子だった。 そして、その敏捷な振る舞いは、まるで三日月を滑り台に、塀のうえにすとんと落ちてきた猫のようだった。 その女の子と目があった瞬間、まわりから「おい、いたぞ!捕まえろ」という小さく叫ぶ男たちの声が聞こえた。 その子は、塀づたいの木々の合間へとあっという間に、ボクの視界から消え去ってしまった。 うまく言えないけど、なんだか無視をされたみたいだった。 しばらく、ボクはちょっと興奮してうまく眠れなかった。 ボクのこころに残ったおおきな問題。 「あの少女は、どうなってしまたんだろう」 「あの少女は、いったいどこからやって来たんだろう」 「あの少女は日本人みたいじゃなかった…」 「月光姫?」 なにもなかったかのように、翌朝はまたはじまった。 冬の朝のまぶしい日差し。 道に落ちた枯れ草を、一陣の冬の乾いた風が舞いあげると むこうから ジンタのメロディにのせて 見知らぬ行列がやってきた。 ボクの後ろからかけだしてきた男の子が叫ぶ 「サーカスだ、サーカスがきたぞ!」 ジンタの響きにあわせて、今夜からはじまるサーカス団が通りを練り歩いてやってくる。 はでな金糸銀糸の幟をたてサーカスの行列が続く。 ピエロに一輪車乗り、スパンコールの服に着飾った男女、象にライオンの檻が続く。 そのなかに、昨夜の少女がいた。 いつまにか、ぼくのまわりには人だかりができて、だれかがささやく。 「あの子が空中ブランコ乗りだって」「外国人じゃん」 たくさんのビラをまきながら、サーカスの行列は通り過ぎてゆく。 きょう彼女とまた目があった瞬間、彼女は正面をきっと向いて、ボクの視界から消えていく。 街の公園で、季節はずれの冬のサーカスが、今夜からはじまる。 写真は実在のパリにあるイットルフの建築、CIRQUE D'HIVER
by tsukimoto_natsumi
| 2007-01-23 18:40
| 本
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