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2005年 05月 04日
先月、書店の目立つコーナーに平積みにされていたので、嫌がおうにも気づかされる本(と言ってもマンガだが)である。案の定、先月の和書全般のベストセラーの上位にいた吾妻ひでおの『失踪日記』。
吾妻ひでおとは、言うまでもなく漫画家の吾妻ひでおである。こういうことを周囲に話しはじめると、彼は漫画家で、代表作は何で、どんな漫画家なのかを話すとこから、始めなきゃならなくなり、ついつい面倒くさくなり、こういう話を最近まわりの人にしなくなってしまったわたしである。 キミが、もし吾妻ひでおを知らないと言ったなら、わたしはこの本の話はストップひばりクン!受験問題にも出る一般教養だから、一冊くらい読んでみたらで、「ハイ、さよならよ」である。このわたしだって、特に吾妻ひでおのファンでもないが、彼の『不条理日記』とか『やけくそ天使』くらいは読んでいる。もともとSF志向のマンガ家だったが、パロディギャグ物や今で言うロリータ物で人気が出てしまった。このあたりまでは、わたしも知っている。少なくともみなもと太郎よりメジャーだろう。あるいは、この世界のロリータ物の元祖かもしれない。こういうことは、その辺のアホなマンガ評論家に聞くより、かつて相原こーじと共作していた『猿でも描けるマンガ教室』の竹熊源太郎なんかのほうが詳しそうである。 http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/03/post_5.html にすでにあった。 まぁ、いいや。で、わたしたちの知らない間に本には89年こ(連載をとうぜん落として)失踪し、ホームレス(野宿、残飯あさり)生活を続け、警察に拘留され夫人からの捜索願いでいったんは家に戻るが、またすぐ原稿を落としホームレスに、そんなことしてるうちに偶然配管工に雇われ、生活をはじめ、ますますアルコール依存症を深め、再度保護されたときには、病院送りになり、そこから退院するまでの10年以上の墜落していく人生を、漫画家として描いた本で、帯には「全部実話です(笑)」とある。言いようによっては、どうしようもなく悲惨な、漫画家という創作活動で飯を食べている人間のダークサイドを扱っているのだが、それを自分の作品にして世に出したという段階で、そうした事実は客観視され、特に配管工時代や病院生活など、彼を取り巻く同じ仲間(?)たちや関係者のさまざまな人格描写に笑わせられ、長年辿った彼の汗まみれ血みどろの墜落人生もやけに飄々と軽く明るい、まさに吾妻流のマンガに仕上がっていて見事。偶然の配管工から、その仕事に目覚めていくシーンや、病院でのさまざまな患者とその暮らしぶりなど、かなり抑制がかかっているんだろうが、笑える。正直言ってアルコール依存症というのは、現代社会の中でかなり深刻な病気である。その現れ方もさまざまだが、どのような治療でも確実に治るということはない。容赦ない〆切りや、創作欲と現実との葛藤など、仕事にまじめな人ほど陥り易い病気とも言える。赤塚不二男さんなんかも典型である。だから、今回の本を読んでとても面白かったけど、すなおに治ってよかったね。とは言えない、退院後編というパート2も用意されているという真面目なマンガなのだ。
by tsukimoto_natsumi
| 2005-05-04 02:25
| マンガ
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