|
カテゴリ
My Profile My Works and…☆
田旗浩一(月本夏海):My Profile My Works 誰もアンディ・ウォーホルを知らない はっぴいえんど ジョン・コッシュのすべて 変形ジャケットの世界 官能的!Sensual Covers カル・シュンケル&ネオン・パーク 水玉アワー(1986) Tokyo Pictures(1987) Forest(1993) LINKS 吉岡実の「本」 ソール・バス 楽譜ギャラリー _____________☆ 星渉・MENU __________☆ Maximum Joy __________☆ 神の味噌汁 ____________________☆ Cherubim weblog ____________________☆ Fillmore And More _____________☆ とくながたかのりのSPECIAL Days _____________________ あなたに映画を愛しているとは言わせない 町山智浩アメリカ日記 内田樹の研究室 ______________ 利庵 小笹寿司 銀杏 最新のコメント
お気に入りブログ
タグ
澁澤龍彦(16)
堀内誠一(11) スガシカオ(10) The Beatles(6) ユーミン(6) 村上春樹(6) ギドン・クレーメル(5) ボブ・ディラン(5) マルタ・アルゲリッチ(5) 山下和美(5) 大島弓子(5) 鈴木清順(5) ティム・バートン(4) 亀渕昭信(4) アルヴォ・ペルト(3) ザ・タイガース(3) ジョン・レノン(3) ティナ・ラッツ(3) ミッシャ・マイスキー(3) ロバート・アルトマン(3) 以前の記事
2012年 04月
2012年 02月 2012年 01月 2011年 11月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2010年 11月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2004年 06月 検索
最新のトラックバック
ライフログ
ファン
|
2011年 11月 09日
8月末から、すっかりブログ更新を怠っていました。
8月9月と相変わらず、銀座シネパトス、シネマヴェーラ渋谷、ラピュタ阿佐ヶ谷、浅草名画座、フィルムセンターで日本映画ばかり観ていました。 10月はテレビ番組のお手伝いをしていたため、一本だけ。 心配事は相変わらず多々なのですが、11月に入り、また映画鑑賞再開です。 8月31日(水) 『昆虫大戦争』(監督:二本松ギララ嘉瑞 脚本:高久進 出演:園井啓介、川津祐介、新藤恵美 他 1968年・松竹 84分)@人もまばらで,夜になると在所も不明なフィルムセンター 『昆虫大戦争』: 南の島に水爆を搭載した米軍機が謎の墜落をする。それを海岸で目撃した川津祐介。なぜか世界に氾濫する昆虫たち。高久進は、これらの謎から骨太で本格的SFミステリーを構築。そして、よもやの超シニカルなラスト。「毒虫はお前だ!」の正義の昆虫学者・園井啓介の気障な言動に痺れる。川津祐介と進藤恵美のへぼい恋愛ドラマと金髪娘との三角関係はボヨヨーンでありましたが、ホテルのスケベな支配人、しかしその実態は東側のスパイ、そしてもうひとりの毒虫、市村ブーちゃんはなかなかグーでした-☆ 9月1日(木) 『893愚連隊』(監督:中島貞夫 出演:松方弘樹、荒木一郎、広瀬義宣他)『くノ一忍法』(監督:中島貞夫 出演:野川由美子、中原早苗、三島ゆり子、芳村真理他)@「映画の日」は関係ないと知ったシネマヴェーラ渋谷 『893愚連隊』: 4ビートのリズムにヴァイブの音が加わり、京都駅で白タク営業をする松方、荒木、広瀬の姿を捉える軽快な幕開け。頭と民主主義を標榜する愚連隊の姿を乾いたタッチで描く。クライマックス後の後日談もネチョネチョ生きる彼らを表現しすばらしい。荒木一郎のすごさに今さらながら脱帽。 『くノ一忍法』: エロ忍術映画の意匠を借りながら、中島貞夫はなにか別の高邁なものを目指しているようだ。舞台美術のような抽象的画面設計や照明、真田幸村と佐助の語り口を借り、忍術や物語を解説する構成、いつもながらの説明過剰の鏑木創の音楽、残念ながらすべてがマイナスに荷担してしまっている。 9月4日(日) 『ときめきに死す』(監督:森田芳光 出演:沢田研二、杉浦直樹、樋口可南子 84年・105分)『カポネ大いに泣く』(監督:鈴木清順 出演:萩原健一、田中裕子、沢田研二 85年・130分)@銀座シネパトス 『ときめきに死す』: 噛み合わないちぐはぐな会話、カットバックでの構図の入れ換え、無機質な別荘の部屋、8ビットのコンピュータ画面、たぶんDX7による劇伴音楽、幾度となく誰彼となく訊ねる沢田研二の「涼しいですか」の台詞のごとく低温度な映画。挿入なき情交をする樋口可南子だけが生々しい。 『カポネ大いに泣く』: 賑わうサロンや派手な銃撃戦のモブシーン、カポネの前で啖呵をきる田中裕子や逆立しナイフを向けるジュリーのアクションのかっこよさは日活時代の清順映画を髣髴とさせる。ショーケンと黒人たちの<浪花節+ブルース>のコラボはけっして完成することはない。大まじめな清順映画。 美男美女さえいれば映画はできる」との監督の言葉に、80年代半ば実現してしまったショーケン、ジュリー、田中裕子共演映画。ただし主人公たちは事件の中では死なない。田中は不意の自動車事故でポップコーンの海に沈み、ジュリーに至ってはフグ中毒死。この辺がいたって清順。 9月7日(水) 『温泉こんにゃく芸者』(監督:中島貞夫 出演:女屋実和子、荒木一郎、殿山泰司、小松方正、小池朝雄他 1970年・東映 87分) 『バカ政ホラ政トッパ政』(監督:中島貞夫 出演:菅原文太、ケーシー高峰、中山仁他 1976年・東映 91分)@シネマヴェーラ渋谷 9月08日(木) 『夢二』(監督:鈴木清順 出演:沢田研二, 毬谷友子他 1991年 128分)『リボルバー』(監督:藤田敏八 出演:沢田研二, 手塚理美他 1988年 115分)@銀座シネパトス 『リボルバー』: 警官(ジュリー)の拳銃が盗まれたことをきっかけにさまざまな人々の人生がクロスし接近する。浮気相手に逃げられ自棄になる小林克也、もてないギャンブル狂の尾美としのりと柄本明、プライドを傷つけられた高校生など、藤田はダメ中年の滑稽と悲哀、高校生の青春の輝きを見事に描く。 『夢二』: 91年に原宿のドームで観て以来なので20年ぶりの再見。『カポネ〜』での田中裕子の役割を毬谷友子が担っていて魅力的。(ふたりとも雰囲気が似てます)お葉役の広田玲央名、遊女の余貴美子も清順映画のモザイクにぴったりはまっている。美術は池谷仙克なのでキッチュ度は抑えられている。 9月10日(土) 「伝・日本映画の黄金時代」(児井英生)「活動屋 児井英生」(永井健児)読了。おもしろさで言えば、前者が圧倒的に面白い。ともかく本人の映画プロデューサー特有の山っ気、駄法螺、与太話感覚が本に横溢しているからだ。ただ児井の映画人生を補完するサブテクストとして後者もとても貴重だと思う。 9月11日(日) 『0課の女 赤い手錠』(監督:野田幸男 出演:杉本美樹、郷鍈治、室田日出男 1974年・東映 88分)『夜叉』(監督:降旗康男 出演:高倉健、いしだあゆみ、田中裕子 1985年・東映 128分)@浅草名画座 『0課の女 赤い手錠』: 次期総理候補の娘を誘拐したちんぴら達。特命を受けた0課の女・杉本美樹は身を挺して娘の救出に。トラウマを背負った郷鍈治の狂獣然たる暴走ぶり!強風が吹き、ゴミが舞い上がるゴーストタウンのような横須賀の街での、室田日出男と郷鍈治らとのクライマックスの対決は圧巻だ。 『夜叉』: 日本海の荒波が寄せる福井の漁師町。入江に大きな太鼓橋が架かっている。その太鼓橋に集まり通り過ぎた人々の物語。背中に夜叉の刺青を彫った元やくざ・高倉健がいしだあゆみにも田中裕子にもこれだけもててしまうのだから、健さんは降旗映画が癖になるはずだ。ビートたけしの小悪ぶりが苦い。 『夜叉』で思い出すのは、「ビートたけしのオールナイトニッポン」高倉健と田中邦衛の会話。健「たけしってのは面白いな。俺たちも二人で漫才の練習をしようか」田中「ダメですよ、俺たち口べたなんだから」ってやつ。 9月14日(水) 『魔界転生』(監督:深作欣二 出演:沢田研二、千葉真一、真田弘之、佳那晃子他 1981年・東映、角川 122分)@夜の大都会、夜のオアシス・六本木はさすがに敷居が高く敬遠し、またもや三原橋の銀座シネパトス。 9月17日(土) 『狂った野獣』(監督:中島貞夫 出演:渡瀬恒彦、川谷拓三、星野じゅん他 1976年・東映 78分) 『やくざ戦争 日本の首領』(監督:中島貞夫 出演:鶴田浩二、佐分利信、松方弘樹、成田三樹夫、千葉真一他 1977年・東映 132分)@シネマヴェーラ渋谷 9月22日(木) 『おんなの渦と淵と流れ』(監督:中平康 出演:仲谷昇、稲野和子他 1964年・日活 116分)@ラピュタ阿佐ヶ谷 『おんなの渦と淵と流れ』: 夫婦の間に横たわる深い性の溝。それに焦燥する英文学者の夫、仲谷昇。戦時から戦後間もなくの夫婦の家の模様が中平らしい筆致で丹念に描かれる。が、前半はやや退屈にすぎる。腫れぼったく、つねに鈍い眼光の妻、稲野和子の感情の起伏の少ない芝居が全体を観念的に支配する。 後半、夫婦が東京の叔父の住んでいた庭に奇妙な像の建つ家に引っ越し、売春婦をやっている娘に食わせてもらっている母・沢村貞子や医学生の弟・川地民夫ら隣人家族が関わりはじめる頃から物語はにわかに活気づく。だが稲野和子のセーラー服姿を見てしまってからでは遅いのだ。 9月24日(土) 『牛乳屋フランキー』(出演:フランキー堺、小沢昭一、市村俊幸他 1956年・日活 83分) 『あいつと私』(出演:石原裕次郎、宮口精二、轟夕起子、芦川いづみ他 1961年・日活 104分)@シネマヴェーラ渋谷。初日の「中平康 -日活デイズ-」にて。 『牛乳屋フランキー』: フランキー堺がガンベルトのような牛乳瓶入れを着て、牛乳配達をするスラップスティック場面はつとに有名。今回は顧客を連れての慰問旅行で、フランキーが中原早苗と唄うシーンのすばらしさと場面転換のさまざまなワイプの多用に感心。最後は牛乳瓶ワイプ!さすが信用の日活映画! 『あいつと私』: 60年の安保闘争(みごとなデモシーン!)を背景に揺れる大学生たちの愛と友情とセックス。(速射砲トーク)中原早苗、(バンビ!)笹森礼子ら女学生たちを見ているだけで充分楽しい。問題はいつ芦川いづみの愛するおでこを見られるか?それは当然嵐の夜の軽井沢でやってくるのだった。 9月25日(日) 「中平康 -日活デイズ-」二日目『黒い賭博師』(企画:児井英生 出演:小林旭、冨士眞奈美、小池朝雄他 1965年・日活 86分)『砂の上の植物群』(出演:仲谷昇、稲野和子、島崎雪子他 1964年・日活 95分)@シネマヴェーラ渋谷 『黒い賭博師』: グラフィカルな背景に縦組みのスタッフ・キャスト名、横組みの監督名。なんてオシャレなタイトルバックでしょう!と思いきや、そこにかかる曲は「自動車ショー歌」の替え歌「賭博唱歌」(笑)!ここからも察せられるように中味もストーリーを追うのもムダなデタラメぶり。旭カーに爆笑。 『砂の上の植物群』: 黛敏郎のチェンバロ風味のバロック音楽に、「稲野和子よ、あなたはバロックだ」と言いたいところだが、稲野和子よ、あなたはマニエリスムだ、難解だ。64年の中平は日活の吉田喜重か?ATGの実相寺か?ここでもまた稲野和子のセーラー服姿を拝顔。うーん、今夜は夢に出てきそう。 9月26日(月) 「中平康 -日活デイズ-」三日目『狂った果実』(撮影:峰重義 音楽:武満徹、佐藤勝 出演:石原裕次郎、津川雅彦、北原三枝他 1956年・日活 86分)『野郎に国境はない』(撮影:山崎善弘 出演:小林旭、鈴木やすし、広瀬みさ他 1965年・日活 99分)@シネマヴェーラ渋谷 『狂った果実』: 長い睫毛の憂愁を秘めた瞳が不幸の予兆を感じさせざるを得ない十六歳の津川雅彦、中平まみ曰く「光る汗がアクセサリーのような」石原裕次郎、優柔不断さがまるで天性のものかのような北原三枝。この三人がクールな熱気でひと夏の物語を結晶化する。中平の才気と熱情が漲るデビュー作。 『野郎に国境はない』: 贋ドル紙幣密造組織を追って、パリ、バンコク、東京へと跳ぶインターポール捜査官、小林旭!フランス語を流暢に操り、女を口説きまくる軽々しさがどこまでも魅力的だ。ほぼ台詞棒読みの敵の謎の女、広瀬みさのクールな色気!前作『黒い賭博師』とストーリーはごっちゃになりそう。 9月29日(木) 『女系家族』(監督:三隅研次 出演:若尾文子、京マチ子、鳳八千代、高田美和、浪花千栄子、中村鴈治郎他 1963年・大映 111分) 『斜陽のおもかげ』(監督:斎藤光正 出演:吉永小百合、新珠三千代、岸田森他 1967年・日活 92分)@神保町シアター 『女系家族』: 船場の大店商人の遺産相続を巡って繰り広げられるしたたかな三姉妹(京マチ子、鳳八千代、高田美和)の権謀術数の狸合戦。さらにそれに古狸・大番頭中村鴈治郎、色悪の踊り師匠、田宮二郎、ばばあ狸、浪花千栄子も好演して加わる。しかし、さらに上を行くのが美しき牝狸、若尾文子だった! 脚本:依田義賢、撮影:宮川一夫(大阪商家の瓦屋根のみごとな俯瞰撮影、ラスト寺の坂道で京マチ子がまぶしそうに日傘を差す撮影のすばらしさ!)そして出演者に京マチ子、若尾文子。えぐいまでの女たちのしたたかな生き方の描出、三隅研次はあきらかに溝口健二を意識しているのだろう。 『斜陽のおもかげ』: 67年、日活が斜陽の道をひた走る時期のいろいろと微妙な作品。太宰治の「斜陽の子」吉永小百合はつねに好奇の目に晒されている。彼女を校門で待ち伏せする週刊誌記者・小池朝雄。「まじめな企画(本?)だから」と小百合を説得、太宰の本妻の子と突撃アポなし対面。やはり朝雄だ。 『玉割り人ゆき 西の廓夕月楼』(監督:牧口雄二 脚本:田中陽造 出演:潤ますみ、坂口徹、中島葵他 1976年・東映 64分)@銀座シネパトス シネパトス3は『ランボー/最後の戦場』以来。やっぱスクリーン小さくて位置高い。そして少々のアンモニア臭も。 『玉割り人ゆき 西の廓夕月楼』: 潤ますみ演じるゆきの玉割り人仕事は冒頭にほんの少しだけ。あとは中島葵と彼女の父を死なせ一度だけ彼女を抱いたもと謡の天才、現在は夕月楼の主人・坂口徹への復讐ともつかぬ屈折した純愛物語が情感豊かに描かれていく。青と赤の鮮烈な色彩設計にドキッとさせられる。 『玉割り人ゆき 西の廓夕月楼』昨年のラピュタ阿佐ヶ谷での牧口雄二特集で見逃したので観に行った。気になっていたのは、登場するさまざまなモチーフが清順監督『陽炎座』『夢二』と共通点が多いこと。たぶん田中陽造は時間の短いこの映画で展開できなかった点をのちの二作で展開したのかもしれない。 10月30日(日) 『山と川のある町』(丸山誠治監督 出演;雪村いづみ、宝田明)1957年・東宝)@神保町シアター 『山と川のある町』 雪村いづみは秋田・横手の肥料問屋、一人娘の高校生の設定(父は志村喬)。先生役の小泉博、宝田明とほのかな接吻シーンもありで、揺れる乙女心を映画は描いている。が、台詞は例のずけずけ、チャキチャキ調でとてもそうは見えない。「ああた」言葉も彼女舌が長いからなのかと納得。 11月1日(火) 『草を刈る娘』(中川信夫監督、出演:左幸子、宇津井健 1953年・新東宝) 『小原庄助さん』(清水宏監督、出演:大河内傳次郎、風見章子 1949年・新東宝)@神保町シアター 二作ともすばらしい! 眠く痺れた頭もデジタル上映の懸念も軽く吹っ飛んだ。帰り際のロビーに川本三郎さんの姿も。 『草を刈る娘』: こういう言い方は適切とは思えないが、とても昭和28年当時の日本映画とは思えない映画全編を覆うヨーロッパ映画のように溢れだすおおらかなエロスはいったいなにごとだろう。大挙しての山の麓での農家の草刈り仕事自体がまるで祝祭空間のようだ。中川信夫演出の力量の深さを思い知る。 『小原庄助さん』: その佇まいがすばらしい旧家の中でいつもどこか居心地悪そうな大河内傳次郎、貞淑な妻、風見章子、代々の味が染みついたお手伝いの飯田蝶子と誰もがぴったりと画に収まる。家の戸外から中まで自在に横移動するカメラワークのみごと。侘びに爽やかが乗じるエンディングが胸にしみる。 11月2日(水) 『緋ぢりめん博徒』(石井輝男監督 出演:中村英子、土田早苗 1972年・東映)@ラピュタ阿佐ヶ谷 『緋ぢりめん博徒』: 土田早苗(ああ『風』くの一・かがり!)をひさびさにスクリーンで観られてよかった、よかった。そんなんで松山容子の『めくらのお市』シリーズや、ついでながら荒井千津子主演の『女めくら 花と牙』をちょいと観てみたくなった次第です。 11月4日(金) 三隅研次監督『子連れ狼 三途の川の乳母車』『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』@新文芸坐 柳生烈堂役、伊藤雄之助つながりで、岡本喜八監督『血と砂』@ラピュタ阿佐ヶ谷 奇しくも勝プロ、三船プロダクション製作つながり。『血と砂』こんなにおもしろい映画なのに受けてたの私ひとり、なぜ? 『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』: シリーズ第一作。アヴァンの真っ白く溢れる光の中を歩む加藤嘉と若君。それを介錯する若山富三郎の登場と前半は三隅演出の格式の高さが目立つ。物語中盤まで冥府魔道に踏み込むまでをフラッシュバックさせる構成の妙。若山の素早くかつすさまじい破壊力の殺陣! 『子連れ狼 三途の川の乳母車』: 二作目にして、いや増すスプラッター度+エロ度、性能大向上の乳母車!拝一刀を追う(あはん♡)松尾嘉代率いる明石の裏柳生女集団そして拝が刺客を受ける弁天来・三兄弟との闘いと物語空間は濃密。砂丘の中で砂塵を受けて繰り広げられるクライマックスに息を呑む。 『血と砂』: 岡本喜八のさまざまなエッセンスがぶち込まれた戦争映画で音楽映画、またはウエスタン。脇を固める喜八好みの佐藤允、厭戦通信士・天本英世、葬儀屋・伊藤雄之介!そして、なによりすばらしいのは曹長、三船敏郎が教育する少年軍楽隊。「俺が教えてるのは戦争だ。殺人じゃない!」いいなあ。 11月5日(土) 第3回船堀映画祭にて『番場の忠太郎 瞼の母 』(稲垣浩監督 出演:片岡千恵蔵 / 常盤操子 / 山田五十鈴 弁士:井上陽一 1931年・片岡プロ)を観る。ゲストトーク(っていうか司会)は目黒祐樹さん、特別ゲストに稲垣監督のご子息で撮影監督の稲垣涌三さん、山本文郎さん。 第3回船堀映画祭、ご近所参加型映画祭とうたっているだけに、そのアットホームな手作り感に親近感が沸く。着いてすぐ、スタッフの方に「清順監督は来られましたか?」と訊いたら「ええ来ましたよ」とデジカメで撮った写真を見せてくれた。来年のチラシ・パンフには制作年、監督名も併記してほしい。 『番場の忠太郎 瞼の母』: 原作を読んでないだけに、なるほどストーリー自体は加藤泰版も稲垣版も変わらないんだなと、斬新でモダンなカットバックや十六歳の山田五十鈴アップの多角度ショット、粋な字幕、巧みな活弁を楽しんでいたら、あっと驚くエンディング。なんとハッピイ・エンドの終幕に驚愕! 11月6日(日) 三隅研次監督『桜の代紋』(若山富三郎主演 1973年・勝プロ/東宝)勝新太郎監督・脚本・主演『顔役』(1971年・勝プロ/東宝)@新文芸坐 天気もよろしくなく、濃さにやられたので本日は二本で退散。 『桜の代紋』若山富三郎の役名:奥村昭夫。それ、どう考えても弟を連想するだろ。 『顔役』、『戦慄!昆虫パニック』に似た感動を覚える。 『桜の代紋』『顔役』ともに音楽は村井邦彦。こと三隅映画において、撮影が牧浦地志から森田富士郎に、音楽がジャジーでファンキー、元祖フリーソウルな村井に代わることで、こんなにルックやテイストが変わるものだろうか。 『顔役』逆にこちらは撮影:牧浦地志、美術:西岡善信、照明:中岡源権、編集:谷口登司夫というベテラン大映京都スタッフによってつくられた勝新スーパー自主映画の趣。巧みにスプリット・インする音の鋭角的処理もすごい。 11月7日(月) 内藤誠レトロスペクティブ『不良番長 王手飛車』(1970年・東映)『男組 おとこぐみ』(1975年・東映)@シネマヴェーラ渋谷。夕方入ったときは、てっきり孤独な映画鑑賞になると思ったが、『男組』のツボでいっしょに笑ってくれた観客のみなさん、ありがとう。 『不良番長 王手飛車』: 赤く褪色したフィルム、ところどころでジャンプ多しは、まだ我慢できるにせよ、(たぶん)一巻まるごとボケボケ、音楽トレモロ状態なる箇所多くさすがに悲しい。特別出演かと思った菅原文太が梅宮の相棒として最後までつきあっている。たしかに白のアルファオープンかっこよし。 『男組 おとこぐみ』: こちらはプリント状態良好。 雁屋哲、池上遼一のマンガ原作を大まじめに、けれん味たっぷりに演出することで、かなり見応えのある、(というか)つっこみどころや笑いのツボ満載の佳作に仕上がっている。舞台の青雲学園は『ドレミファ娘の血は騒ぐ』と同じ場所ではないだろうか? 11月08日(火) 映画女優 香川京子『君と行くアメリカ航路』(島耕二監督1950年・新東宝) @フィルムセンター。タイトルだけでウキウキ。その上、製作が野口久光ときいたら、観に行かないわけには行かないじゃありませんか!おまけに原案は「スーパー・ジャイアンツ」や「ナショナルキッド」の赤坂長義。 『君と行くアメリカ航路 』: これは楽しい-☆ウキウキ、ほのぼの大瀧詠一的気分に溢れるハイカラ・モダンなライトコメディ。洋館の屋根裏に住む風見章子と香川京子の姉妹もチャーミングなら、米国帰りの画家、齊藤達雄のヘタウマ芝居もワンダホー!田崎潤のダンディ、灰田勝彦の甘い歌声にしびれる! ラテンにジャズにハワイアン、当時流行の音楽も香川京子の勤める洋装店のプレタポルテ・ショーでじゅうぶんに満喫。ただし灰田勝彦や曉テル子の歌唱シーン、水着のコンテスト・シーンと天然色になる箇所は黒味になるので脳内補完するしかありません。まったく至極残念です。 お久しぶりです。しかし怒濤のレビューですね。 個人的には松山容子の『めくらのお市』シリーズ、 荒井千津子の名前に激しく反応してしまいました(笑)。 僕もどうしても過去にばかり目が行ってしまいます。 僕の場合は、ひたすら歌謡曲のシングル盤なのですが…。 これだけ閉塞感があると、過去が輝いて見えてなりません。 こちらこそ、すっかりご無沙汰しています。お元気ですか?松山容子の『めくらのお市』シリーズ、荒井千津子主演の『女めくら 花と牙』の件は、(Y)さんの下半身クイズを見てのことですよ〜(笑) あらら、そういうことでしたか(笑)。さすが月本さん、凄いとこまでフォローするなあと感心していたんですよ。ところで、こちらも絶不調です(笑)。その分、30年ぶりにバンド活動などをしております。 絶不調なんて、もうお手の物でございます。その分、映画観てます(笑)。
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||