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2010年 06月 13日
『アウトレイジ』(監督・脚本・編集:北野武 出演:ビートたけし,椎名桔平,加瀬亮,三浦友和,國村隼,杉本哲太,塚本高史,石橋蓮司,小日向文世,北村総一朗)
上映初日朝一回目の回で『アウトレイジ』を観てきた。 なにしろ冒頭の雰囲気からすごい。居並ぶ車とヤクザたちを切り取っていく移動ショットがその後の禍々しい気配を濃厚に醸し出す。その直後のタイトルも鮮やかでスタイリッシュだ。冒頭からすでにこの映画を統一する一貫したイメージが連なっていく。 そうして抗争劇の物語は「ぞわぞわ」「ざわざわ」と鳥肌の立つような不吉な蒼い空気と空間のなかで繰り広げられていく。不敵・不遜な男たちの顔・どの面(ツラ)もすばらしい。おなじみのカット尻の長い独特の編集もまさに北野映画なのだった。 中盤まで、少し間抜けな余韻を残すギャグがバイオレンスの痛さを中和するのだが、椎名桔平の事件のクライマックス以降は壮絶だ。向こうに風力発電が見える夜明けの海辺の道路を歩く男二人をとらえた俯瞰の風景。そして一見のどかな塀の中の草野球。どれもが震えるような空気で充ち溢れている。新しい北野映画の地平を開いた。
by tsukimoto_natsumi
| 2010-06-13 12:22
| 映画
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Comments(2)
これ、聴きましたか?
○Life番外編~伊藤聡のシネマハッスル「アウトレイジ」 (文化系トークラジオ Life) www.tbsradio.jp/life/2010/07/e_1.html 『アウトレイジ』を『グッドフェローズ』などマーティン・スコセッシと対照させたり、わりと面白かったです。 速水健朗が、『アウトレイジ』を、『Dolls』で完成された北野フォルマリズムのヤクザ映画版と言っていたのには「なるほど」と感心しました。 フォルマリズムとか言われると、逆に、世間では迷作扱いされている『監督・ばんざい!』『TAKESHIS'』『アキレスと亀』のような内面を吐露する作品が魅力的に見えてしまったりもしています。
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tsukimoto_natsumi at 2010-07-19 23:57
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